デイケアが目指す“生活リハビリ”
デイケア(通所リハビリテーション)は、リハビリ専門スタッフによる機能回復・維持 訓練を受けるサービスではありますが、当館では、それ以外にも介護士が、ご自宅で生活するうえで 必要な動作の維持・回復のための生活リハビリや在宅生活のサポートをしています。その様子を当館での1日の過ごし方を通してご紹介します。
いつまでも住み慣れたご自宅で、安心して過ごせるように
ご自宅は家族との思い出が沢山つまった居心地のいい場所、ずっとご自宅で暮らしたいと思う方がほとんどではないかと思います。
1日でも長く安心してご自宅で生活ができるよう介護士がサポートしています。
加齢に伴い、体の筋力や機能が衰えてくると日常生活でできないことが増えてきます。体の筋力が落ちて動くのが億劫になると意欲が低下して生活もままならなくなってしまいます。そのような負のサイクルに陥ってしまわないように日常生活に必要な動作を訓練します。
①お迎え
お迎え時のご利用者様、ご家族様とのコミュニケーションを大切にしています。お迎えの際に、日々のご様子をお伺いすることで「今日は元気がないかも」「困っていることがあるのかな」など、変化に気付くことができるからです。日常生活で困っていることがあれば介護のプロとしてアドバイスさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
②到着から自席へ
到着時の玄関から席に着くまでの移動動作も大切なリハビリです。広い館内は移動距離があるため、単独歩行が難しい方は杖を使用し安定して歩行していただき、杖で不安な方にはシルバーカーで更に安定した歩行ができるように、車椅子を利用する方で手足を使って自操することが可能な方には自操していただいています。
③着座
なのはな館に到着後にお席にお座りいただきますが、椅子への着座動作は大切な筋力訓練となります。例えば車椅子をご利用の方であれば、車椅子から立つ動作、立ってから車椅子まで歩く動作、椅子に座る動作と3つに分かれますが、主に大腿の前面にある「大腿四頭筋」、お尻にある「大臀筋」、お腹にある「腹筋群」、背中の「背筋群」を使います。これは日常生活でよく使う筋肉と言えます。この動作はトイレでも同じ動きとなり、筋力トレーニングにも繋がっています。
④体操
午前中に身体機能向上を目的とした集団体操を行っています。座ったままで行う体操と立ち上がりを多く取り入れた体操の2種類があります。グループに分かれそれぞれ30分程度行っています。食事前には摂食・嚥下(えんげ)機能維持のため口腔体操も行っています。
⑤食事
食事も大切な生活リハビリのひとつです。五感を働かせ、食事を楽しみながら、ご自身で美味しく召し上がっていただくために、箸、スプーン、フォークなどその方々に合った食べ方を検討します。スプーンの大きさも重要な検討材料です。栄養不足は病気やケガの原因となりますので、日々の食事を楽しんでいただき、食べる力を引き出すことはとても大切なことです。
⑥入浴
入浴をご希望される方に大浴場または機械浴をご利用いただいています。入浴では、「大浴場までの歩行」「衣類の着脱」「浴室での立ち上がり、段差歩行」「身体や髪を洗う動作」などあらゆる動きが必要となります。入浴は身体機能と認知機能のどちらも必要となる応用的な動作です。そして、身体の各部位を動かすための筋力も必要です。入浴でも、その方の持っている機能を最大限に活かせるようサポートをしながら生活リハビリへとつなげています。
1、上半身の動き
・着脱のボタンの締め外しなどの細かい動作
・髪や身体を洗うために腕を上下左右に動かしながら力を入れ筋肉を使う動作
・足先や臀部を洗う時のバランスをとる動作
2、下半身の動き
・下着やズボンの着脱での立ち上がりや片足を上げる動作
・浴槽から出る時の立ち上がりから歩き出しでのバランスをとる動作
入浴後は手芸、ぬり絵、写経などをされたり、おやつとお茶をお出ししてお帰りまでお寛ぎいただいています。
⑦お帰り
お帰りの送迎でもご利用者様・ご家族とのコミュニケーションを大切にしています。お迎え時にいただいたご相談やご質問に関しては、極力お帰りの際にご回答するように心掛けていますので、何かお困りごとなどございましたらご相談ください。
デイケアはリハビリが目的で利用されている方が多く、生活リハビリもとても重要なことですが、ご本人がなのはな館に来られるのが待ち遠しくなるよう楽しんでいただくことが一番大切なことだと考えています。楽しみながら、ご利用者様おひとりお一人の目標や目的を果たしていただくために、より良い時間をご提供できるよう努めてまいります。ご自宅に帰られて、ご家族に「今日はこんな楽しいことがあったよ」などなのはな館での一日をご家族に話したくなる施設、ご家族が安心して送り出せる施設を目指してまいります。